株式会社湘南平塚コミュニティ放送(FM湘南ナパサ)番組審議会 議事録

1.日時
  令和元年11月26日(火)午後2時00分〜3時00分

2.場所
  平塚法人会館 2F会議室

3.委員の出席
  委員総数
出席委員数

12名
8名
  出席委員 垣達也・伏黒哲司・越水崇史・常盤健嗣・
中村幸子・渡辺武・横尾昭・五十嵐優子
  欠席委員 数田俊樹・今井裕久・徳江貞昭・石井基貴
  放送事業者側
出席者名
取締役専務 鈴木弘之
営業担当長 中野浩太
スタッフ 石川恵美

4.議題
(1) 災害発生時の対応について

5.議事の概要
  FM湘南ナパサが10月から11月で取り組んできた災害発生時の対応について台風19号(2019年10月)の際の対応を例に挙げながら説明致しました。番組審議委員には台風時の対応や状況からラジオで必要な情報は何かをお伺いしました。

6.審議内容
令和元年度第3回目の番組審議会を始めていきたいと思います。まずはFM湘南ナパサ専務取締役鈴木の方からご挨拶させて頂きます。
本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。
それではさっそく議題に移らせて頂きます。前回の番組審議会の議題でした「電話レポート」は地域の皆様との繋がりをもっと増やしていこうということで始めた取り組みでした。そしてその取り組みがどうして必要なのかというと災害発生時、本当に困った時に「ラジオがあった」と思い出してもらう為です。ということで今回は「災害時の対応」をテーマに審議していきたいと思います。まずは10月12日(土)に発生した台風19号の際にFM湘南ナパサでは10時から22時までの間、通常の番組を変更した放送を行いました。この日の対応は、FM湘南ナパサスタッフの向井、石川がスタジオから情報をお届けしました。主に各市町からのFAX、災害対策本部からの情報をもとに放送するという形で取り組みました。この時、難しかったのがどの程度の情報をどの位の頻度で放送するのかということでした。過剰に放送してしまうとかえって市民の皆さんを危険にさらしてしまう可能性があるのではないかと考えています。
コミュニティ放送局ができてきた当時、阪神淡路大震災の際には、情報を得る手段があまりなかった為「どこに物資があるのか」といった情報を何度も放送するということが重要であったということなのですが、今の時代は情報を得る手段は当時よりも沢山あります。「物資を必要としている」というよりは「より多くの物資をもっておきたい」と考える人が多く、かえって混乱や本当に困っている人に物資がいき渡らないのが現状です。この点を重視し、FM湘南ナパサでは混乱を避けるために情報を集めることは勿論どの情報をいつ流すのかということを注意しながら放送に取り組んでいます。ナパサの災害対策において現状、「マニュアル」等の決まった型はありません。過去の対応通り、決まっている事は局長に連絡、そして指示を仰ぐという点のみです。マニュアルがなくて大丈夫なのかという意見もあると考えられますが、局長を軸とした臨機応変な対応が機能している事を説明させていただきます。また局長不在時の体制までは下記の通り事前に決定しておきます。
まず「災害発生」。司令塔を決め個々が単独で行動しないようにします。続いて体制を決定します。局長連絡、繋がれば局長から指示を待つ。仮に局長に連絡が取れず重大な事態になった場合は新たなトップを決めます。
「情報収集」は市・警察署等公的な情報を持っているであろう場所の情報を活用します。もし先方から送れない状況ならこちらから情報収集に伺う体制を整えます。そして「放送開始」となります。以上のように体制の決定までは手順を決めておきます。そして体制決定後の情報収集から放送まではトップを中心に臨機応変に対応していきます。テレビ、インターネット(パソコン、スマホ)、ラジオが使える状況で、よほどの被害がない限りはテレビをつけながらスマホで調べものをし、念のためラジオを近くに置いておく(電源は入れていない)という生活シーンが考えられます。特に今後我々のような「スマホ世代」が50代、60代になり災害が起きた際はスマートフォンが身近な環境で育ってきた為、第一にスマートフォンが情報収集の最優先ツールとして使用される確率が非常に高いと考えられます。しかし、もしこのような世代の人たちが近くに置いていたラジオをつける時として考えられるのは「停電」の時なのではないでしょうか。停電が起こるほどの被害が発生する原因として考えられること、一つ目、台風発生により風が強くて電線が切れる、電柱が倒れる。二つ目、降雪により電線に雪が積もる。三つ目、地震により発電所がやられる。つまりラジオ(ナパサ)で災害情報を得ようという思考になるのは停電等による状況下で、市民の皆様が他に情報を得る手段がなくなったときが濃厚だと考えられます。停電時には「全国の状況がどうなっているのか」よりも、「自分が住んでいる場所が今どのような状況になっているのか、今後どういった行動が望ましいのか」といった非常に狭い範囲の情報、個人的な情報が必要になってくると考えられます。交通、水道、電気、ガスなどのライフラインに関係すること、例えば家族は家に帰って来られるのか、非難したいけど避難所は無事なのか、何を持って行ったらいいのか、避難所に向かう道中は安全か、いつも使っている道は安全か、「倒木」避難所までの道は安全か、通行止めの道はあるのか、などが考えられます。それとは少し別ですが災害情報が多く気が滅入ってしまうから安心したいというリスナーの方もいらっしゃるのではないかということから音楽を流すなども考えられます。これらの内容をスタッフ一同で集め、放送していきたいと考えております。皆様からご意見、ご感想頂ければ幸いです。
台風19号の際には平塚市からも電話、FAXで情報を送っていました。私も災害対策本部ができる前から広報部門として動いていました。災害対策本部は防災の管轄になるのですが、そこから依頼を受け情報をホームページで流していました。今振り返りを行っているのですが、相模川の水位上昇の際は避難指示も急に発令され、混乱してしまうような状況でした。そうした時はやはり市だけでは対応しきれないところもあるのでナパサさんにもご協力を頂き、ありがとうございました。
私は当日6時に茅ヶ崎市役所に来ました。車で来たのですが日中満車になることがない駐車場が上から順番に満車になっていました。何とか入り込めたのですが途中で職員の車を全部出してくれといった指示があり混乱しておりました。あとはホームページに予想よりも30%程度上回るアクセスがありパンクしてしまいました。そうした時に色々な媒体をもって発信していくことは大事だなと感じました。ツイッターで情報を更新した際にはいつもの50倍以上の反響がありました。避難所では毛布やご飯などまでは支給しきれないところもある中で「食事はないのか」やペットを連れて来られた方に向けての対応などで少し混乱しました。こちらとしてはそういったものは用意していないということは常に発信していたつもりなのですがそれでも中々伝わりきっていないというのが現状でしたので改善していきたいと思っております。
災害時にラジオが「ツイッター」のような役割を担えれば良いのではないでしょうか。ここではこんな状況ですよ、こんな物資を必要としていますよ、といったようなことが分かればもっと良くなるのではないかと思います。

それでは時間になりましたので第3回の番組審議会を終了させて頂きます。



以上

 
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